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トップメッセージ

For a Healthier Community より健やかな社会へ 代表取締役社長 眞鍋 雅信

第二の創業、そして北海道の未来を「つむぐ」
株式会社TSUMUGU HOLDINGS < TSUMUGU Holdings, Inc. >

1. はじめに:新社名「TSUMUGU HOLDINGS」に込めた誓い

平素は弊社グループに格別のご高配を賜り、厚き御礼申し上げます。
私たち「株式会社ほくやく・竹山ホールディングス」は、2026年9月29日をもちまして、設立20周年という大きな節目を迎えることとなりました。この記念すべき日に、弊社は社名を「株式会社TSUMUGU HOLDINGS(つむぐホールディングス)」へと変更し、大いなる「第二の創業」へと踏み出すことといたしました。
これまでの20年間、私たちは医薬品卸売、医療機器卸売、介護、薬局、そしてICT事業の各事業により、北海道の医療・健康を支える「縁の下の力持ち」として、その規模の充実に努めてまいりました。しかし、「ほくやく・竹山ホールディングス」という社名が、多様な専門性を持つ会社から構成される私たちの真の在り様を皆さまに正しく伝え切れているのか、またこの社名によってグループとしての一体感を持てているのかという葛藤が、同時に社内にありました。
そこで、弊社取締役会から最前線の現場まで、全社的なワークショップを重ねて対話を繰り返してまいりました。そこから浮かび上がってきたのは、「グループ事業者間の連携をさらに深めたい」「もっと深く北海道に貢献したい」という、従業員一人ひとりの熱い想いであります。
この20年間で、私たちが直面する事業環境は激変しました。少子高齢化、医療DXの潮流、そして地域社会の変容は不可逆的であり、かつ加速度的に進行しています。この大きな変化の時代を生き抜くには、従来の「個々の事業の集合体」としての経営には限界があります。今後も地域のヘルスケア・インフラとしての事業を未来へ継続するためにこそ、私たちは「第二の創業」という大きな前進を選びました。
「つむぐ」という言葉は、私たちのこれからの「あるべき姿」そのものです。私たちは、社歴も事業規模も業態も異なる事業会社の集まりです。細い糸、太い糸、長い糸、短い糸、赤い糸、青い糸。それぞれに違う色や太さを持つ会社が、お互いに寄り合って一本の強固な糸へと紡がれていく。そしてグループ各社の多様な事業を紡ぎ合わせることで、北海道の保健・医療・介護・福祉を「切れ目なく」支え、新しい価値を創造していく。地域に住む人々の健康な毎日と、この北海道の未来を豊かに紡いでいく。それこそが、新しい社名「TSUMUGU HOLDINGS」に込めた私たちの祈りと決意であります。

2. 足元の経済動向と、インフレ時代における人的資本経営

直近の2025年度の業績につきましては、皆さまのご尽力により大幅な増収を達成することができました。しかし一方で、最終仕入原価率の上昇などが響き、利益面については減少という厳しい結果となりました。この物価上昇局面において、グループは従業員の生活を守るべく「物価上昇対策特別手当」の支給をいち早く断行いたしました。
マクロ経済に目を向けますと、1月からの我が国の実質賃金(前年同月比)は1.4%増、2月で1.9%増(基本給の伸びが約34年ぶりの高水準を記録)、3月では前年同月比1.3%増、4月:前年同月比1.9%増となっています。この点からすると国民の暮らしぶりは上向いていると言えます。
そして2026年4月における食料品全般とエネルギーのすべてを除外した消費者物価指数(米国型コア消費者物価指数に相当)の実績は、前年同月比で1.1%の上昇 でした。日本銀行が掲げる「物価安定の目標2%」には遠く及ばず、未だにインフレとは言い難い状況であります。本年4月から「公立小学校の給食費無償化」や「私立高校授業料の就学支援金拡大(所得制限撤廃)」といった政府・自治体の物価対策が開始されたこともあり、サービス分野の物価が強く抑制され、米国型コア消費者物価指数は低い伸びに留まりました。しかし日本国内ではチョコレートやコメ類などの生活を直撃する「生鮮食品を除く食料」の価格が前年比4.1%上昇と、依然として高い水準にあります。物価は日々変動しますが、賃金の改定には一定のタイムラグが生じます。しかし当社グループは今期からのベースアップをはじめ、諸手当の抜本的な改正を進めてまいります。
なぜなら、私たちは「人的資本経営(Human Capital Management)」をグループ経営の最重要基盤として据えているからです。従業員を単なる「コスト」として捉えるのではなく、企業価値を生み出す最大の「資本」として捉え、その能力開発とエンゲージメント向上に投資する。これこそが持続的な成長の源泉です。
米国Google社が「プロジェクト・アリストテレス」を通じて「心理的安全性」が組織の生産性を高めることを実証したように、また日本の「トヨタ自動車」や「リクルート」が自律的な人づくりと挑戦の機会を重視してきたように、人への投資こそが長期的な企業価値を創出すると私たちは信じています。次なる10年に向けて、組織の内部統制や企業統治体制を整えるとともに、誰もが安心して熱意と夢を持って働ける「人財の舞台」を創り上げてまいります。

3. 国策「医療DX」の本格実装と全国医療情報プラットフォームへの対応

いま、医療・介護・福祉の現場には、国の強力な先導による先端技術の波が押し寄せています。政府の「骨太の方針」に基づき、総理を本部長とする「医療DX推進本部」が設置され、行政と業界が一丸となったデジタル・トランスフォーメーションが急ピッチで進んでいます。
その工程表の最大の眼目は、マイナンバーカードと健康保険証の一体化であり、これを起点として医療情報の利活用が一気に標準化されます。特に私たちが大きな影響を受けるのが、国が推進する「電子処方箋」の導入拡大です。すでに多くの医療機関や薬局で導入が進んでおり、私たちの予測を超えるスピードで浸透しています。さらに、各種規格の壁に阻まれていた「電子カルテ情報の標準化」についても本格的な実施フェーズへと移行しました。
現在、国はレセプトデータを蓄積するナショナルデータベース(NDB)、介護データベース(介護DB)、DPCデータベース、そして医薬品の安全性を集計するMID-NETなどを保有していますが、これらはすでにマイナンバーを軸に連結され、高度な解析ができる環境が出現しています。
これらが目指す将来の姿が「全国医療情報プラットフォーム」です。保険者、病院、診療所、薬局、自治体、そして介護事業者が扱うあらゆる情報がオンラインのクラウド上でデータベース化されます。日本がデジタルヘルス後進国という不名誉な地位から脱却し、2030年、さらには2040年の超高齢社会を見据えた医療インフラを構築するための唯一の解決策は、「国が用意するガバメントクラウド上で、急性期や大病院に対応できる共通のクラウド・ネイティブ電子カルテを開発・公開し、多くの病院でそれを共有すること」であると言われています。2000年代初頭に選択された「閉域網による医療情報の隔離」という教条主義的な方針を修正し、暗号化とゼロトラストセキュリティ(常時検証)を担保したオープンなインターネット接続環境、すなわち「ガバメントクラウド直結」へと舵を切る必要があります。これにより、技術者の不足問題も国際的な開発環境と同期することで解消へと向かうと思われます。クラウド・ネイティブ化された電子カルテは、国が整備を進めているレセプトや介護の各種データベース(前掲のNDB、介護DB等)と、マイナンバーを中継して「秒単位」で連携されることになります。これにより、患者がわが国内のどこの医療機関、どこの訪問看護ステーション、どの介護施設に移動したとしても、本人の同意に基づき、過去の投薬歴、アレルギー情報、検査数値、画像診断結果が瞬時に目の前の端末のブラウザに表示される。重複検査や誤投与などの社会的損失が極小化され、真の「地域完結型医療・地域包括ケア」が情報システム面から完成することになります。
当社グループは、この国策である医療DXの動きをいち早く捉え、単なる対応にとどまらず、自らの事業プロセスの構造改革へと繋げてまいります。

4. 地域包括ケアシステム「第二ステージ(〜2040年)」の市場環境

わが国の社会保障制度において、2008年から研究が開始された「地域包括ケアシステム」は、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者に到達した「2025年」をもって、第一ステージの節目を終えました。この間、マクロで見れば医師・看護師、そして約4倍に増えた介護職員など、医療・介護分野の働き手は大幅に増加しました。結果として、年齢調整がん死亡率の低下や、75歳時点での要介護認定率の低下など、日本の高齢者層は以前よりも確実に「健康に長生き」できるようになりました。
しかし、このヘルスケア市場の最大の特徴は、「システムが成果を出して健康長生きを達成するほど、その先にある超高齢者の医療・介護ニーズが却って増加する」という点にあります。つまり、私たちが目指すゴールは静止しておらず、先へ先へと動き続けるのです。
2025年以降、地域包括ケアシステムおよび地域医療構想は「第二ステージ」へと突入しました。最終ターゲットイヤーは、現役世代が急減する「2040年」に設定されています。医療保険給付費は現在の約50兆円から、2040年には70兆円規模へ達すると政府は見込んでいます。政策のメインターゲットは、75歳から「85歳、さらには90歳」へとシフトします。
2040年に向けた第二ステージの主戦場は、急性期の入院医療ではなく、地域生活の現場です。医療の提供場所は、20世紀後半のような「病院の病床」を中心とした集中的なものから、在宅や地域、生活の場へとその比重を大きく移していきます。ここで重要となるテーマは、以下の4点です。

  1. 認知症への総合対応:
    認知症基本法が整備されましたが、総数としての認知症者は増え続けます。医療のみならず、家族支援や生活設計、地域資源の連携が不可欠です。
  2. 急性期入院を防ぐ日常医療・介護の強化:
    股関節骨折や誤嚥性肺炎など、日頃の運動・栄養・口腔ケア・住環境整備によって「予防可能な急性期イベント」を未然に防ぐ、介入の強化が求められます。
  3. 身寄りのない高齢者への対応:
    三親等以内に相談相手がいない高齢者の単身世帯が激増しています。保証人がおらず、住居の賃借や施設入所が困難になるという、所得階層とも連動した深刻な社会的課題が顕在化しています。
  4. 看取り・緩和ケアの拡充:
    年間看取り件数が170万件を超えていく多死社会において、尊厳ある最期をどう地域で支えるかが問われています。

政府としても「高齢者等終身サポート事業」の検討を始めていますが、現在はまだ20人以下の零細企業が多く、歴史も浅い未成熟な市場です。私たちは、この医療・介護に隣接する生活・住まい・死後事務まで含めた新しい巨大な市場に、グループの総合力を持ってどのように取り組むか、真剣に歩みを進めてまいります。

5. TSUMUGU HOLDINGSの二大事業戦略:エリアサミットとDXの推進

市場がこれほど大きく変化する中、当社グループが次の10年も北海道で圧倒的な持続可能性を維持するための事業戦略は、明確に以下の2つです。

①エリアサミットの推進(グループ総合力の結晶)

私たちは幸いにして、医薬品卸売、医療機器卸売、介護(福祉用具貸与)といった既存事業において、北海道内でトップクラスの市場占有率を維持しています。これは顧客や市場と意思疎通を図る上で、致命的に重要な優位性です。
これからの時代は、多職種連携や施設間連携が別次元で進展します。病院、診療所、保険薬局、訪問看護ステーション、介護施設の機能分化が進む中、私たちの持つ各事業がバラバラに動いていては市場の変化に対応できません。地域ごとの課題に対してグループ各社が顔を合わせ、個別具体的な連携を行う「エリアサミット」をさらに深化させ、競合に対する圧倒的な事業競争力へと昇華させます。

②デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進

国策である医療DXへの対応を強化すると同時に、グループ内の事業間連携をデジタルによって推進します。各種経営指標をデータベース化して可視化(見える化)し、業務プロセスの構造改革による効率化を徹底します。社内のセキュリティ対策を強化しつつ、ロボット技術や通信技術を現場へ導入します。まもなく実用化されるだろう自動車の自動運転技術などは、私たちの広大な北海道における物流・経費構造を劇的に変える可能性を秘めています。デジタルは、私たちの「つむぐ」力を加速させる最強の織機となるのです。

6. おわりに:「TSUMUGUびと」として、共に未来を創り上げよう

2026年9月29日、私たちは新社名を掲げ、「TSUMUGU」という船の羅針盤を新しくいたしました。この羅針盤は、私たちの「ありたい姿」「あるべき姿」を言葉として編み込んだものです。
私たちは、ここに働くすべての仲間と、私たちが大切にしたい価値観として「5つの心」を共有したいと願っています。

  1. 志高く、責任ある行動で仕事に向き合う、熱い心
  2. 相手の心を見て、人と接することのできる、強い心
  3. 仲間を見つめ、まっすぐに取り組む、誠実な心
  4. 素直さと謙虚さからなる、真摯な心
  5. 変化を受け入れ、未来へ挑戦する、勇敢な心

高い志と熱い心を持ち、相手が誰であるかではなくその人の「心」を見つめ、互いの一致点を探し出す。困難な時にも周りを見渡せば仲間がいます。その仲間に対して、真摯かつ誠実な心で手を取り合う。過ちを認める素直さと「ありがとう」と言える謙虚さを持ち、激しい変化を勇敢な心で乗り越えていく。
「TSUMUGU HOLDINGS」とは、そのような「心」を持った仲間たちが集う事業体でありたいと切に希求します。
私たちは、生まれや育ち、性別、年齢、役職に関わらず、未来へ臨むすべての仲間の声を聞きたいと考えています。かつて、明治維新も先人たちが掲げた「万機公論に決すべし」という精神の如く、私たちは「万機公論会議」という自由闊達に意見を交わす場をグループ内に発展させてまいりました。異なる歴史や規模、業態を持つグループ各社が、そして大切なお得意様と地域に住む人々の想いが、新社名のもとに一本に紡がれ、北海道の未来に新しい価値を創造していく。そんな未来を、私たちは目指します。
この激動と困難の時代に、この北海道の地にとどまり、私たちと共に働くことを選んでくださった従業員の皆さま、そして私たちを信頼してくださるすべてのお得意様、地域社会の皆さまに、希望ある未来への道筋を示すこと。これこそが、私の社長としての最大の努めであり、責務であると深く自覚しております。
ここから、そしていまから、皆さまと一緒に「TSUMUGU HOLDINGS」の輝かしい未来を創り上げていこうではありませんか。皆さまにおかれましては、倍旧のご支援とともに、なお一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

株式会社TSUMUGU HOLDINGS
代表取締役社長 眞鍋雅信